「大手の人材紹介会社からの紹介だから安心だ」「輝かしい経歴を持っているから即戦力になるはず」。そんな期待が、採用後に大きな裏切りに変わってしまうことがあります。ここでは、バックグラウンドチェックを行わなかった、あるいは行うことで発覚した実際のトラブル事例をご紹介します。
事例1:職場を巻き込む、度を越した宗教活動
ある経理課長の女性は、熱心な宗教活動家でした。当初、会社は思想・信条の自由を尊重し黙認していましたが、次第に職場の同僚を全員入会させ、宗教行事を優先して業務に支障をきたすように。最終的に、他の部署からもクレームが殺到し、会社は大きな混乱に見舞われました。
事例2:給与をもらいながら競合会社を設立
ある会社の本部長は、在籍中に同業の別会社を設立。会社の給与を受け取りながら、裏では自身の会社の業務を行っていたことが、後の調査で判明しました。
事例3:パワハラ・セクハラの横行で取引停止に
社長の親族という立場を利用し、部下へのパワハラや女性社員へのセクハラを繰り返していた役員。その悪評は取引先にまで広まり、「彼が在籍するなら取引を停止する」と通告される事態に。最終的に、全従業員による会議の末、退職に追い込まれました。
事例4:医療過誤を繰り返す医師の紹介
大手人材紹介会社から紹介された医師が、過去に何度も医療過誤を起こしていたことが判明。紹介会社は紹介するだけで、その経歴までは深く調査していませんでした。「大手だから大丈夫」という思い込みが、現場の看護師たちを深刻な不安に陥れています。
事例5:元反社会勢力の構成員だった応募者
面接時の態度に懸念を抱いた企業が調査を依頼したところ、応募者が元反社会勢力の構成員だったことが発覚。採用していれば、企業イメージの失墜や他の従業員への影響は計り知れませんでした。
事例6:教育機関にあってはならない性犯罪歴
学校法人の事務職に応募してきた人物に、小学生女児へのわいせつ行為による前科があったことが調査で判明。教育機関の不祥事は、ブランドイメージの低下に直結します。
事例7:輝かしい経歴の裏に隠されたアカハラ
名誉教授という肩書を持つ女性教授が、過去に他の教員に対して講義を妨害するなどのアカデミックハラスメントを行い、裁判で敗訴していた事実が発覚しました。
これらの事例は、決して他人事ではありません。履歴書や面接だけでは見抜けないリスクは、すぐそこに潜んでいます。採用調査は、こうした悲劇を未然に防ぐための「転ばぬ先の杖」なのです。